PNG画像ファイル形式

【GIFの代替としてのPNG】

先ほど解説したGIFですが、特許問題で一時期使用を控える動きがありました。 そこでGIFに代わる物が求められ、このPNGが開発されたのです。 PNGは「PortableNetworkGraphics」の略というのが公式の発表となっていますが、非公式に「PNGisNotGIF」という意味を持っているとも囁かれています。 PNGがどうして誕生したのかを考えるとこの非公式の意味がじわじわと面白くなりますが、おおっぴらに言いふらすのも大人気ないので あくまで非公式ということにしているのでしょう、喧嘩になりますし。

【PNGの特徴】

ではPNGはどんなファイル形式なのかですが、特徴としてはビットマップ画像であることが最初に挙げられるでしょうか。 8ビットのPNG-8だと256色が扱えますので、GIFと同じということになります。 24ビットのPNG-24では1,600万色以上を扱えるので、こちらはJPEGのようにフルカラーの写真なんかに向いています。 使う色が少ないイラストなんかはPNG-8で、カラフルな写真はPNG-24で、と使い分けることもできるのでなかなか応用力のあるファイル形式です。 もしもホームページを制作するにあたり画像のファイル形式をひとつしか使うことができない、なんて制約があったとしたら、PNGを選ぶのが正解です。 PNGは可逆性圧縮であるというのも忘れてはならない特徴で、どういうことか理解しやすく説明すると、圧縮してもまた元通り復元可能である、ということです。 JPEGは不可逆性圧縮なので一旦圧縮したら復元はできず、何度も上書き保存を繰り返すと画質が悪くなっていくのですが、PNGはその問題を克服しております。

【PNGの透過性】

また透過処理が出来るという特徴も持っており、簡単に背景だけを透明にしたりすることができてしまいます。 これはカラフルなホームページを制作するうえでとても頼もしい機能で、透明にすることができる、これだけで凄い武器にもなりえるのです。 仮に背景が色付き、ブルーのサイトを制作したとします。そこに画像ファイルを表示する場合ですが、写真のように四角いものではなく イラストやなにかしらのキャラクターを配置するのなら、どんな風にウェブ上に表示されるのか考えてみましょう。 エコロジーな自然ぽいイラストとしてうねうねしたミミズのイラストを掲載したとしますが、このミミズの画像ファイルはミミズだけが描かれているのではなく、 背景も込みになっています。画像データとしては四角い白い紙の上にミミズの絵、そのような感じにまとめられており、 主役はミミズですが背景の白色もセットで付いてきます。 この画像をそのまま背景がブルーのサイトに配置すると、ミミズだけを表示するのではなくその周囲に白い四角形も出現してしまうのです。 これはあまり見栄えがよくありませんし、白い空間の意味が全く分かりません。 なのでミミズのイラストの白い背景、これを透明にしたいのですが、それがPNGファイルなら簡単に透過処理ができるのです。 生涯背景がホワイトのホームページしか制作する気がないのであればこのメリットもそう魅力ではないかもしれませんが、 そのうち意識も変わってパープルの背景にリニューアルしたくなる日がやってくる可能性も排除はできません。 その時にサイトの背景に合わせて画像データの背景色を塗りなおす作業を行うか、一括で透過処理を行うか、どちらが楽かは明らかです。 背景をあまり気にする必要がない、これもPNGファイルの特徴ですね。

あともう1点、これは利点にはならないことですが、PNGはGIFに代わるファイル形式として開発された経緯があり、つまりわりと新しい種族なのです。 なので古いパソコンや携帯電話だと対応していないこともあるので、そこだけ表示されない、ということも起こります。 ですがそろそろ誕生から10年ですしその心配もなくなりつつあるでしょう。

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